となりの小狐丸

整体という仕事を生業にして、人の身体に触れてきたことで見えてきた目に見えないものの不思議をご紹介します。

3、四方固め

人間とは傲慢な生き物である。増長するものである。

人の身体に取り憑いたと思われる幽霊(と思われるもの)を手技で取り払うことが出来て、新たな可能性を見つけた気がした。

霊媒師ではないけれど、整体師が幽霊を取る。なんか、かっこよくなーい?

なんて自画自賛してニヘラニヘラしていた自分を今思い出すと、無知とはなんと恐ろしいことかと今では思う。

しかし、当時の私がそんなこと考える由もない。

妻が私に聞いた。「その叩いて追い出した霊はどこへ行くの?」と。

「さあ?どこかに行っちゃうんじゃない?」と、どこまでもおきらくな私であった。

お客さんのなかには、何人か(これは幽霊がのっているのかな?)と思われる方が来られる。異常な肩の張り、そして掴むと「痛でででで」と異常に痛がるのだ。

霊感があるわけではないので幽霊が見えるわけではないのだが根拠の無い確信だけは持っていた。

そんなお客さん達の頸の付け根を「神活」でバンバン叩いてきた。


その度に肩が柔らかくなり「あら、どうしてなの?」と言われることに、魔法使いにでもなった気分でますます増長してゆくのだった。


42歳の秋、何度か来てくださっている遠藤さんという看護師のお客さんが来た。

寝違えたのか左の頸肩が激痛なんです、と言う。

来たぞ、来たぞと内心小躍りする不謹慎な私。

「最近勤務されている病院でだれか亡くなられましたか?」

「ええ、最近、ずっと私が担当だった身寄りのない患者さんが亡くなられましたけど‥‥何か関係があるんですか?」

「多分その人の霊がその肩に乗ってますよ(きっぱり)」

「・・・・・・・・・(絶句)」

明らかに変な物を見るような眼で私を見ているが、当の本人はお構いなし、である。

そんな彼女の頸の付け根を「神活」でバシーンと叩いた。

が、張りが抜けない・・・・おかしいなともう2,3度バシーンと叩いたが全く抜けない。

「神活」も肩の張りが抜けなければ、お客さんにとってはただひっぱたかれただけの恨みしか残らない。

「・・・・・とにかく寝てみましょうか」

遠藤さんに仰向けに寝てもらい、左肩頸に手を当て、般若心経を唱える。

まかはんにゃーはーらーみったーしんぎょー、かんじーざいぼーさつ・・・・・・・・・

「どうですか?」

「まだ痛いです」

「・・・・・・・・」

このままでは、遠藤さんにとっては「幽霊がいますよ」と、変なことを言われ、頸の付け根をバシバシ叩かれ、念仏まで唱えられ全く不可解で不満しか残らない。

一か八かの手がある。

遠藤さんの左手を外側に捻りながら肩口に畳み込み、左手で遠藤さんの手首を掴み関節技に極める。合気道の技である「四方投げ」の最後の固め技である。

「ご容赦ください!!」

私は遠藤さんの腕を捻じり締め上げた。

「え?なになに?・・・ぎゃぁぁああああああ」

その痛みで遠藤さんの左肩が柔らかくなった。痛みで無理やり幽霊を追い出したのだ。

思いのほかうまくいった!

「どうですか?」

「はあ、疲れました」

ぐったりしてふらふらと帰られた遠藤さんを、その後見ていない。


※≪注意≫上記の方法は絶対に真似をしないでください。後日にブログで書いていきますが、とんでもないことになりますのでご注意ください。


記事に出てくる氏名はすべて仮名とさせて頂きます事ご了承ください。




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