私は、浄霊出来ない上に人の霊を食べる不成仏霊達に取り憑かれて困り果てていた。
私は肩から摘まみだした霊に聞いた。
「あんた、元々は人間の霊なんだろ?」
「YES」
「なのに人の霊喰うのか??」
「YES。YES。YES」
(あかん、だめだ。俺はこんな化け物みたいな奴らと一緒に暮らしていくのか??いや、このままじゃ俺の魂まで食いついてくるぞ!ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・)
「小狐丸、なんでこいつらは成仏しないか、判るか?」 と小狐丸に聞いてみたら、
「YES」 と答えた。
「なに?小狐丸ちゃん知ってるの?教えて、お願い!」
《この霊達は狐が憑いてる》
「なぁにぃいいいいいいいいいいいい??!」
そういうことだったのか!!だから成仏しない上に人の霊まで食べる食人不成仏霊になっていたのか!!
とはいっても、どうすればいい??私は考え込んでしまった・・・・・・・・・
「そうだ、引っこ抜いてみよう!」
左手に握った不成仏霊の、(たぶんこの辺だろうと思われる)腹部のあたりを右手の指でつまみ、勢いよく引っこ抜いてみた。その左手の不成仏霊をとりあえず机の上に置いて、左手でペンデュラム(水晶)をもって右手の上にぶら下げてみると、それはブンブン振った。
「お前、不成仏霊に取り憑いていた狐か?」
「YES」
「この野郎め!!」
私は、その狐霊を、おむすびをにぎるように包み込み、指の間から水晶をぶら下げて、不動明王真言を繰り返し唱えた。
「ナマハ サマンタ ヴァジラーナーム チャンダ マハーローシャナ スポタヤ フーム トラト ハーム マーム!!」
激しく揺れていた水晶はだんだん揺れが小さくなってゆき、やがて狐は私の手の中で静かに息を引き取った。
その狐霊が昇天したのを見てから、机に置いていた不成仏霊を左手に摘み上げ水晶をぶら下げてみると、さっきは激しくブンブン水晶を振ったのに、その揺れは弱々しくなっていた。
「あんた、まだ人の霊をたべたいのかい?」 と聞いたら、
「NO」 と激しくブンブンと振った。普通の人に戻ったらしい。
これで、不動明王真言を唱えたら、その不成仏霊は成仏したのか、もう戻ってこなかった。
「やったぞ!小狐丸!成仏したぞい!!」
残る不成仏霊も同じ方法で狐を取り出し、駆除した後に信号を唱えると、もう帰ってこなかった。
私はどっと力が抜けた。腰が抜けてへたり込んでしまった。
どんな霊でも不動明王真言で浄霊出来る。という考えは思い上がりだったとつくづく考えさせられた。
しかし、この世は広い。もっとすごい不成仏霊にこの後に出会う。
《続きます》
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